矢野きくの家事アドバイザー/節約アドバイザー/防災士/食育指導士
2/14(金) 8:45
米の価格高騰を受けて、政府の備蓄米放出が決定されました。「備蓄米となると古い米?」「古米って味が悪いんじゃないの?」と疑問に思っている方も多いようです。
しかし今回の備蓄米放出は、発表によると2024年産米を中心に2023年産米も加わるということで、そこまで古いお米ということでなく、味を心配する必要はないでしょう。
精米されずに玄米のまま温度管理された場所で保管されている米は、精米された状態で家庭で長く保管していた米に比べると味が落ちないのが一般的です。
仮に古米や古古米でも研ぎ方、炊き方で美味しく食べることができるので、今回は「古米を美味しく炊く方法」をご紹介します。
1・美味しく食べるための古米の研ぎ方
古米の場合、乾燥していることが多いため、研ぐときに力を入れすぎると米粒が割れてしまうことがあります。力を入れずに米全体を包み込むようにして研ぐのが理想的です。
またこれは新米の場合でも同じですが、米を研ぐときは炊飯器の内釜を使って研ぐのではなくザルとボウルを使って研ぐようにしましょう。内釜で研ぐと釜を傷つけてしまい、汚れが入り込みやすいだけでなく、炊飯の精度にも関わってきます。内釜だと水を替えづらく研いだ水が残りがちですが、ザルとボウルで研げばサッと新しい水で研ぐことができます。炊飯器の内釜で研ぐのではなく、ザル&ボウルで研ぐ(筆者撮影)
2・炊飯前にしっかり浸水させる
古米は乾燥しているものが多いので、新米のとき以上に炊飯前にしっかりと水に浸すことが美味しいご飯を炊くことにつながります。30分から1時間、浸水させておくようにしましょう。
3・古米を美味しく炊くには「酒」や「みりん」が効果的
古米を炊くときは、水だけでなく酒やみりんを入れることで甘みが増し、美味しく炊くことができます。目安の分量は米1合に対して、酒かみりんを小さじ1~2杯。何度か試してみて自分の好みで量を調整してください。
古米を炊飯するために酒やみりんを足す場合は、その同量の水を減らすことも忘れずに。通常の水の量を入れてから、酒やみりんを足す分量だけ計量スプーンを使って水を取り除き、その後に酒やみりんを足すと分かりやすいでしょう。
4・炊飯後にしっかり蒸らす
新米のときも必要ですが、炊飯後は10分ほどしっかりと蒸らすことも美味しく食べるポイントです。
今回ご紹介したように、古米でも美味しく炊く方法を知っていれば、味の劣化に関してはさほど心配する必要はありません。
また冒頭でご紹介したように今回の政府の備蓄米放出は2024年度産で、入っても2023年産の古米なので、味の心配はする必要はないでしょう。仮に古米でも力を入れて研がない、30分以上浸水させる、酒やみりんを加える、しっかり蒸らすことで美味しく炊くことができます。
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